あろきゃに♪のギターのせん太郎です。
先日、芥川賞にもノミネートされた「平成くん、さようなら」読んだのでその感想を書いていきたいと思います。
あらすじ
平成を象徴する人物としてメディアに取り上げられ、現代的な生活を送る「平成くん」は合理的でクール、性的な接触を好まない。だがある日突然、平成の終わりと共に安楽死をしたいと恋人の愛に告げる。
愛はそれを受け入れられないまま、二人は日常の営みを通して、いまの時代に生きていること、死ぬことの意味を問い直していく。
なぜ平成くんは死にたいと思ったのか。そして、時代の終わりと共に、平成くんが出した答えとは――。
安楽死が合法化された現代の平成のパラレルワールド的な舞台のお話です。
安楽死の合法化はなかなかパンチがありますが一概にありえないとも言えないところがありますね。
社会学者らしい作品
古市さんといえば肩書きは社会学者ですが、その社会学者らしい部分が出ている作品でした。
独特の思考というか全体を見ているような視点というか。
登場人物の知識や情報量とか言葉選びが今まで読んできた作家さんとは違っていてすぐに引き込まれました。
少し説明くさいと感じる人もいるかもしれませんが、そこは平成くんのキャラでカバー出来ているかと。
なんとなく勝手な想像なんですが古市さんって主人公の平成くんと似ているというか、こんな人になりたいみたいな憧れに近いものがあるのかなと読んでて思いました。
なので 平成くん=古市さん と変換すると説明口調なのも許せたりします。
感想
とても面白かったです。
一貫して考えを変えないある意味機械のような平成くんと日によって発言や勝手な行動をとるいかにも人間らしい恋人の愛ちゃん。
この二人の相反する静と動のようなやりとりがとても楽しくてすごく良かったです。
メインの二人が対称的なんですよね。
というより登場人物はこの二人しかほぼいないです。
最後はどう着地するのかと思いましたが納得のいく、あるいは考えさせられる場所で終わったので気持ち良かったです。
読み終わったあと「あー、なるほどね」と言ってしまうほど個人的には好きな終わりかたでしたので他の人の感想も聞きたくなるところですね。
買うならKindle版がおすすめ
この本が特別というわけではないんですが、有名人の方の著書って値段が少し高めになってることがありますよね。
この「平成くん、さようなら」もある程度の部数が売れる見込みがあるからでしょうかボリュームのわりには高めの設定になってます。
Kindle版だと300円ほど安く買えます。
あとKindle版を薦める大きな理由として在庫がないというところです。
書籍版だと芥川賞の影響なのか人気なようで入荷予定が10日後になってます。
Kindle版だと在庫は関係ないので購入してすぐに読めるので今すぐ読みたい人はKindle版がいいでしょう。
まとめ
個人的には何をもって「生きているのか」「死んでるのか」を考えさせられた作品でした。
合理的に、効率的に考えると先の人生が見えなくなったら合法的に許された安楽死を自分も選択するのかな、と。
ミステリーものをよく読むので新鮮だったのもありますね。
あと官能的な部分が多少出てくるので苦手な方はご注意を。
でもさすが芥川賞にノミネートされるだけの作品だと思ったので興味がある方は是非読んでみて下さい。
以上、「平成くん、さようならを読んだ感想」でした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
それではまた次回。
全然知らない小説でしたがとても面白そう♪
情報量の多そうな作品なので教養としても一読してみてもいいかもですね♪